壁の中から水音が?!気付いたらすぐに行うべきの一次対応【東京都多摩市】

こんにちは!さまざまな現場経験をもつ漏水の専門職人たちが集まった漏水専門会社の漏水PROです。

先日、浴室の壁の中から「シューッ」と流水音が聞こえたという漏水現場を行ってきました。
加害宅の方は、浴室の壁の中から流水音が聞こえることに気付いたとのことでしたが、浴室と洗面台の水栓はしっかり締まっていたし水漏れもなかったので、排水の音だと思ったそうです。
という訳で、漏水調査を依頼したのは、漏水被害を受けた下階の住人さんでした。

放置すると大きな漏水被害に繋がってしまう壁の中の水音!
すぐに気づいても、一刻も早く一次対応しないと被害が広がります。

今回は、壁の中で水音がする原因や、その際に行うべき一次対応について、本事例を通じて説明いたします。

被害宅の状況確認

洋室の養生を撮影
落水量を撮影
洗面所の天井スラブから落水

調査前の夜、管理組合が運営するマンションのサポートサービスから業者が来て、臨時対応として養生を施工し、上階宅の給水バルブを閉めたとのことでした。
住人さんは、その後、落水が落ち着いたと言いましたが、まだリビングと洋室クローゼットの枠、洗面所の天井から水が滴り続けていました。
天井にたまった残り水だけでも、バケツが一杯になっていたため、漏水量はかなり多そうでした。

壁の中から水音がする原因と対策

給水管からの漏水

給水管は、公共の水道管から各家庭へつながる配管で、その中は水を供給するために一定の水圧を維持しながら常に水で満たされています。
そのため、蛇口を開けたり閉めたりすることで、水が出たり止まったりします。
壁の中を通る給水管が経年劣化や凍結などで破損すると、破損個所に水を供給する水道の元栓を止めない限り、漏水は止まりません。

壁の中から水音がしたら、まず給湯器の止水バルブを閉めましょう。
この操作で壁の中の流水音が止まれば、給湯管からの漏水ですので、給水管の元栓は閉めなくても大丈夫です。
音が止まらなければ、給水管の元栓を閉めて家全体の給水を止めましょう。
この操作で壁の中の流水音が止まれば、給水管からの漏水です。
壁の中で起こった漏水は、壁を破壊して修繕することとなります。
一次対応が終わったら、速やかに漏水専門業者にご相談ください。

お客様

水栓の元栓はどこにありますか?
止めるにはどうすればいいですか?

漏水PRO

マンションは、多くの場合、間取り図に「PS(パイプスペース)」または「MB(メーターボックス)」と記載された場所に各戸の給水管の元栓があります。
水の使用量を計測する水道メーターの近くに、元栓を閉めるバルブが設置されています。
このバルブの取手を時計回りに回すことで水供給を停止できます。
窪みのあるタイプの場合は、マイナスドライバーを使って時計回りに回すことで止水できます。

戸建て住宅は、通常、玄関横や敷地内の目立たない場所に水道メーターが設置されています。
事前に場所を把握しておくといいでしょう。

マンションPS内、取手タイプの元栓
給湯器の下部、取手タイプの止水バルブ
窪みタイプの止水バルブ
戸建て住宅の元栓の例1
戸建て住宅の元栓の例2

排水管からの漏水

壁の中の排水管から水漏れする場合は、通常、排水を流すときだけ水音が聞こえます。
給水管からの漏水に比べると漏水量は少ないかもしれませんが、排水管からの漏水は、清潔な水ではないので、臭いが発生したり衛生面で問題を引きおこしたりする可能性があります。
このような場合、排水管の修繕工事はもちろん、被害を受けた箇所がカビや害虫の発生源とならないように、消毒、除菌、および防臭処理を元に、しっかりと内装の復旧工事を行う必要があります。

壁の中から水音が聞こえたら、まずは自宅の給水栓を閉めて水の使用を停止します。
水音が止まらない場合、上階に漏水の原因がある可能性があります。
管理組合に連絡するなどして、漏水原因が復旧されるまで、上階宅から協力してもらうことが大切です。

雨漏れまたは結露

上記に説明した一次対応の後も音に変化がなければ、配管からの漏水ではなく、雨漏りまたは結露が原因かもしれません。

雨水は、屋根の隙間や外壁の防水が切れた部分、窓枠などから侵入することがあります。
壁の中の水音が天候に左右される場合、雨漏りの可能性が考えられます。

壁内の結露は、断熱不良や気密性の問題、湿度の高い環境などで発生します。
結露は水滴を形成するので、その水滴の落水音の可能性があります。

水漏れを放置すると、床のフローリングが腐食したり、カビが生えたりします。
室内に水漏れ被害が及んでいる場合は、見えるところの水だけでも拭いておきましょう。
その後、漏水専門業者に漏水診断を受けることをお勧めいたします。

漏水配管の復旧工事

流水音が聞こえる浴室
給湯管の減圧
壁パネルの取外し

加害宅の住人さんが浴室の壁の中から流水音が聞こえたとおっしゃっていたので、まずは浴室を調査することにしました。
パイプスペースの給水バルブを開けると、浴室パネルの裏から「シューッ」という水音が聞こえました。
バルブを閉めると水音は止まりました。
「ポタポタ」や「トントン」といった音ではなく、力強い「シューッ」という流水音だったため、給水設備からの漏水だと思いました。
給水管と給湯管に耐圧テストを行い、給湯管の圧力低下を確認しました。

漏水原因特定
漏水配管の切除
新規配管の施工

浴室の壁パネルを取り外すと、フレキシブル銅管の給湯配管に「ピンホール」と呼ばれる小さな穴が開いていて、そこから大量の水が吹き出していました。
漏水している配管を切り取り、配管が曲がらないように角を作りながら新しいポリブテン管を取り付けました。
同時に、壁パネルの水栓器具に接続するための貫通エルボも新設しました。

施工後の耐圧試験
壁パネルの復旧
施工完了

施工後、給水バルブを開け、新しい配管の各接続部から漏水がないことを確認しました。
給湯管の耐圧テストは約1時間かけて行いましたが、異常ありませんでした。
壁パネルはコーキングを塗布して元の状態に復旧しました。
浴室水栓の吐水テストと給湯管の燃焼テストを行い、異常がないことを確認し、漏水配管の修繕工事を完了しました。

職人のコメント

壁の中からの水音は、静かすぎて気付きにくいことがあり、また、見えない場所で起こるため放置されがちで、現場に行った頃は、すでに漏水被害が大きくなっていることが多いです。
漏水は住環境に悪影響を及ぼすだけでなく、最悪の場合、壁内の電気配線に水が及んで、漏電による火災のリスクさえあります。
壁の中から水音を感じたら、ぜひ漏水PROにご相談ください!

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