部屋の天井から突然の漏水が!?マットレスがずぶ濡れてしまいました【東京都八王子市】

こんにちは!今回は東京都八王子市のマンションで起きた漏水事故を解決しました。
この事例は、浴室系統の給湯配管の経年劣化による漏水が原因でした。
水の使用量が多い場所から漏水したことが被害を広げる一因となり、たった1日で被害宅にかなりの損害をもたらしてしまいました。

それでは、専門機材のスコープカメラの活用から漏水配管が特定できた判断根拠まで、漏水調査の流れを詳しく話してみます。
火災保険を使って、漏水事故の解決に実費は1円もかからず、綺麗に被害宅の原状回復までできた本事例を、どうぞ読んでみてください。

漏水被害調査

廊下の漏水被害
被害場所:廊下
壁紙の漏水被害
壁紙の漏水被害
ベッドのマットレスが水濡れ
被害場所:寝室

漏水被害が発生した場所は廊下と寝室の2ヶ所で、廊下の天井からも寝室の火災感知器からも、水漏れが続いている状態でした。
どちらも落水量が多くて、廊下は天井から壁を伝って床まで水が流れていたし、寝室はダブルベッドのマットレスが3分の1も濡れていました。
住人さんはゴミ袋の上にバケツを置いたり、バスタオルを数枚敷いたりして養生していました。

漏水原因調査

耐圧テスト

給湯管の減圧を確認

漏水原因を探すために、直上階の耐圧テストから漏水診断を始めました。
共用廊下にあるメーターボックスの中の量水器から給水管と給湯管をそれぞれ分離し、水を注入して圧力の変化を観察しました。
給水管の圧力数値は10分以上安定的に保たれましたが、給湯管はテスト開始から1分も経たないうちに圧力が急減しました。

スコープカメラ調査

スコープカメラで漏水調査

給湯管の漏水と判断し、宅内調査に進みました。
ユニットバス、洗面所、キッチンの点検口から確認した床下に、漏水の痕跡は見当たりませんでした。
また、洗濯パンの床下も乾いていました。
目視調査で異常が見つからなかったため、スコープカメラ調査を行いました。
被害宅の漏水箇所の真上付近である廊下側に向けてカメラを挿入しました。
その結果、スコープカメラの画面から、廊下の床下に給湯管が通っていて、その付近が濡れていることを確認しました。

漏水PRO

ここでは、スコープカメラを使用した漏水調査の利点をご紹介いたします。

①配管の中や狭い壁の空間など、目が届かない場所も確認できます。
②壁や床など建物の構造を壊さない非破壊的調査が可能です。
③配管や管路の状況を高解像度の画像で確認できます。
④漏水箇所の発見はもちろん、配管の劣化度や詰まりの具合なども視覚的に把握できます。

漏水PROは、最新型の高性能デジタル機材を使って、効率的で迅速かつ正確な漏水調査を行っております。

開口調査

廊下の床を開口調査
廊下の床を開口
給湯管チーズ撮影
排水ポンプで水を排出
漏水原因を見つけました
被覆の中から水が滲んできました

スコープカメラで確認した水濡れ付近の廊下の床を開口し、床下の水を排水ポンプで吸引してから、漏水箇所特定のための調査を始めました。
給湯配管はキッチン・洗面系統が一直線でリビングの方へ繋がっていて、浴室系統はT字型の継ぎ手で右側へ分岐されていました。
目視調査とスコープカメラ調査、また漏水被害の位置から、浴室給湯配管の漏水と思われました。
分岐の少し上で、キッチン・洗面系統配管と浴室系統配管を分断して、浴室の通水テストを行うと、浴室系統配管の被覆の中から水が滲んできました。
洋室の下を通る直管部分のどこかから漏水しているようでした。

複合漏水調査

キッチンと洗面系統の給湯管のみ復旧
キッチン・洗面系統の復旧
複合漏水を確認するための耐圧テスト
耐圧テスト
触診検査
触診検査

浴室系統から漏水していることは分かりましたが、さらに複合漏水があるかどうか確認するため、今度は浴室系統を切り離して、キッチン・洗面系統だけを新規配管で繋げて復旧しました。
復旧後の耐圧テストで減圧されなかったので、キッチン・洗面系統には異常がないと判断しました。

居住者様の都合で浴室給湯配管の復旧工事は2日後に行うことになりました。
その間、浴室の使用は中止していただくようにお願いしました。
復旧施工した配管接続部の触診検査、吐水テスト、燃焼テストも細かく行い、調査を完了しました。

漏水原因配管の復旧工事

浴室系統給湯配管の復旧計画図

洋室下の既存ルートは閉鎖して、直通ルートで新規配管施工することを提案しました。

洋室の下に配管されている既存の配管ルート(黄線)を利用して修繕する場合、洋室の床を開口しなければなりません。
しかし、床を開口すると内装復旧の工事費用が発生してしまいます。
無駄な費用発生を避けるために、今回は洗濯パンの下からユニットバスへ直接つながる形(紫線)で新しい配管を施工することを提案しました。

実際の施工写真

新規配管経路
廊下から洗濯パンの下へ
新規配管経路 洗濯パン下
洗濯パンの下から浴室へ
新規配管経路 浴室接続
最終接続

お客様からご承諾をいただいて、提案図の通り、T字型分岐のチーズ(オレンジ色)から浴室系統の新規給湯配管(ピンク色)を接続し、洗濯パンの下をくぐって浴室へ接続しました。
配管施工後は必ず施工確認を行います。
吐水テスト、燃焼テスト、各継ぎ手の触診検査、30分間の耐圧テストでちゃんと復旧されたことを確認しました。

開口箇所の仮復旧
廊下の仮復旧
洗濯パン下の開口箇所復旧
洗濯パン下の復旧
浴室点検口の復旧
浴室点検口の復旧

廊下の開口箇所は後日フローリング張替で復旧するため、仮復旧しました。
洗濯パンの下の開口箇所は、洗濯パンを戻すと隠れる部分なので、洗濯パンと洗濯機を元通りに戻して復旧しました。
ユニットバスの点検口復旧は、止めネジ受けが経年劣化により壊れていたので、新しいネジ受けを取り付けました。
さらに、隙間から水漏れしないようにコーキング作業を行い、漏水配管復旧工事を完了しました。

火災保険と漏水事故の解決費用

漏水調査費と漏水配管修繕工事費

本漏水事故の解決には、漏水調査費と漏水配管修繕工事費が発生しました。
専有部に漏水原因があるので、修繕工事費はお客様負担となりますが、漏水調査費はマンションの火災保険の漏水調査特約で賄われました。

お客様

修繕工事費用の6万円は、漏水PROに教えてもらった臨時費用お見舞金という火災保険の補償金で支払ったので、実費負担はゼロ円となりました!

漏水PRO

臨時費用お見舞金とは、火災保険の様々な保障の中でも、漏水被害による原状回復工事期間中の仮住まいの費用とか、漏水による波及損害を防止するための養生処置や修繕工事費用とかで支払われる補償金のことです。
支給条件や支給額は契約内容によりますが、だいたい支払われる損害保険金の10~30%程度です。

火災保険の知識は、全く別の専門分野ですので、ベテランの職人さんでも、大手管理会社の担当者さんでも、詳しくないことがほとんどです。
漏水調査や解決費用で悩んでいる方は、下記問い合わせフォームにて、一度ご相談ください!

開口復旧工事費

漏水調査と漏水原因復旧工事に伴う開口箇所復旧費用は、マンションの火災保険の漏水調査特約から捻出できました。
廊下の床はリビングまで見切りなくつながっていますが、マンションの漏水調査特約の保険金に上限があったため、リビングの扉下に見切りを作って廊下部だけ床フローリングを交換しました。

廊下フローリング解体
巾木解体
開口部下地補強
新規フローリング貼り
新規見切り材取付
新規巾木貼り
原状回復工事完了
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廊下フローリング解体
巾木解体
開口部下地補強
新規フローリング貼り
新規見切り材取付
新規巾木貼り
原状回復工事完了
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被害復旧工事費

被害宅の原状復旧工事費用は、加害宅の火災保険の個人賠償責任保険から捻出できました。
減価償却による減額がありましたが、ちょっとした被害まで見逃さず細かく見積書を作成して保険申請したので、無事に原状回復することができました。
被害を受けて使えなくなったマットレスも、加害宅の保険屋に損害品申請書を作成して提出することで、同モデルの新規購入ができました。

共用部養生
専有部養生
洋室:被害天井解体
新規ボード施工
クロス貼替
新規火災感知器
火災感知器の作動試験
器具取付
原状回復工事完了
原状回復工事完了
廊下:被害天井解体
新規ボード施工
クロス貼替
原状回復工事完了
原状回復工事完了
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共用部養生
専有部養生
洋室:被害天井解体
新規ボード施工
クロス貼替
新規火災感知器
火災感知器の作動試験
器具取付
原状回復工事完了
原状回復工事完了
廊下:被害天井解体
新規ボード施工
クロス貼替
原状回復工事完了
原状回復工事完了
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最後の約束

弊社は、今は漏水専門会社として活躍させていただいておりますが、もともとリフォーム会社から出発しました。
だからこそ、漏水調査と漏水原因復旧工事以降の内装原状回復工事までワンストップで進みます!
これからも豊富な経験確かな施工技術さらに保険知識を活用して、東京都・埼玉県・神奈川県の地域の皆様のお役に立てるように頑張ります!

-漏水施工事例, 漏水調査から内装工事まで
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